札音協について 事業案内 後援演奏会 お問い合わせ 会員用

 札幌音楽家協議会は札幌をはじめ道内に在住する音楽家たちが、開かれた民主的な音楽活動を目指して、音楽文化の発展と会員相互の連携と親睦をはかる目的で作られた、60年の歴史を有する公的な団体です。
 コンサート・コンコルデやコンチェルト・ダ・サローネ等の主催事業、例会や親睦会を通じて音楽家同士のコミュニケーションとレベルの向上を計り、北海道の音楽文化の発展に寄与することを目的としています。

ホームページ開設 2007/6/21
リニューアル 2011/5/20
最終更新  2024/1/29

   運営委員会

   会員名簿

 今月のコラム −・−・−・−

第4代会長 谷本一之氏の就任最初の機関誌(49号)巻頭言です。

 クラシック音楽の衰退が云々されてから久しくなります。以前、日本のある高名な作曲家が「クラシック音楽は死んだ」の激烈なステイツメントを残していますが、死んでしまったかどうかはともかく、衰退の方向を辿っていることは確かなようです。クラシック音楽に関してはCDも売れない、コンサートの聴衆も減っているし、高齢化も著しい。ピアノやヴァイオリンを習う子供の数も激減しているetc、悲観材料ばかりが目につきます。
 このことはよく目につく社会現象というにとどまらず、ヨーロッパ芸術音楽の、そしてヨーロッパ文化の現代的状況を踏まえて議論すべき問題ですが、いまここでそれに立ち入る用意はありません。とりあえずクラシック音楽の普遍的価値への確信の上で、このクラシック音楽の地盤沈下にどう対処したらよいのか、世界的にいろいろ試みがなされています。ひとことで言えば「クラシック音楽の普及・啓発」です。
 以前、ロンドン交響楽団から、こんど札幌へ演奏旅行に行くことになったので、その際にロンドン交響楽団の教育セクションのプログラムを実施したい、それのできるどこかの小学校を紹介して欲しいという依頼を受けたことがあります。実際に子供たちに行われたのは、新しい内容の先進的な音楽教室プログラムでした。こういう特に子供を対象にした教育活動は、ロンドン交響楽団だけではなく世界の多くの交響楽団が、音楽祭が、公共ホールが課題として取り組んできています。それが単なる思いつきではなく、組織的に取り組む体制のもとに行われているは、クラシック音楽の地盤沈下にたいする強い危機感によっているものです。PMF国際音楽フェスティバルでもこのことを特に意識したプログラムが盛り込まれていますし、キタラでも札幌市内の数千人の子供達をホールに招いて札響の演奏を聴かせるプログラムが始まっています。最近、演奏家が親しく聴衆に話しかけるコンサートが多くなったのも、こういう傾向に関連するのではないかと思います。
 札幌の音楽の専門家集団としての札幌音楽家協議会が、この「クラシック音楽の普及・啓発」にどういうプログラムで取り組むのか、皆でアイデアを持ち寄って、活発な活動がなされることを心から願っています。