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 札幌音楽家協議会は札幌をはじめ道内に在住する音楽家たちが、開かれた民主的な音楽活動を目指して、音楽文化の発展と会員相互の連携と親睦をはかる目的で作られた、60年の歴史を有する公的な団体です。(1961年創立)
 コンサート・コンコルデやコンチェルト・ダ・サローネ等の主催事業、例会や親睦会を通じて音楽家同士のコミュニケーションとレベルの向上を計り、北海道の音楽文化の発展に寄与することを目的としています。

ホームページ開設 2007/6/21
リニューアル 2011/5/20
最終更新  2025/6/13

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 今月のコラム −・−・−・−

1981年2月16日に札幌市教育文化会館大ホールで催されたコンサートコンコルデ「創立メンバーによる20年記念演奏会」のプログラムより会長の「ごあいさつ」です。プログラムはこちらからどうぞ。

 情報社会といわれている今日的な観点からみれば、地道な創造活動よりは世間の反響を期待されるものが求められています。しかし音楽上のさまざまな問題点は、歴史の大きな流れにつながるものと深くかかわっていますので、そのときどきの目立ったトピックだけを切りとって論ずるわけにはいきません。―-高度経済成長の波にのった昭和30年代は、音楽界ではようやく専門教育が一般化の方向に向かい、高度教育機関も発展するなど、音楽人口の拡大が目立ちました。とりわけ札幌では市民オーケストラ設立運動が成熟期を迎えるなど、当時の音楽状況は清新の気風がみなぎっていました。そういうなかで札幌音楽家協議会は昭和36年(1961年)2月に設立をみたのです。一方オーケストラ設立運動の結実として誕生した札幌交響楽団も奇しくも同じ年でした。そのためでしょうか、ともすれば当会は札響設立のために生まれた組織であるような印象が一部でもたれているようです。たしかに当会の活動の最初は札響設立運動であったことは事実ですが、設立に至る過程には2・3年も前から在札音楽家有志の集りがありました。その中では音楽活動を支配する因襲的な人間関係や権威依存の姿勢という閉鎖的な問題が議論の中心を占めていました。札幌音楽家協議会はこうした問題意識が動機となって設立をみたのです。
 さて、音楽界は現在現象的には活況を呈しているものの「明日の社会」を予測することは途方もなく困難なことです。この混沌の時代、明日の社会に立ち向かう姿勢が問われている今日、当会設立当時の理想追及の態度を思い返してみることも意義あることと思います。創立20年を迎えて開催される本日の音楽会が創立時のメンバーによって演奏されることは、そういう意味で象徴的です。この音楽会に寄せられた各方面からの御支援に深く感謝すると共に、本会に課せられた地域文化推進の使命の重さを強く感じております。
                    横谷瑛司